「その図面、加工できません」と言われる理由〜商社が果たす“図面の翻訳者”としての役割〜

「その図面、加工できません」と言われる理由
〜商社が果たす“図面の翻訳者”としての役割〜
製造業の現場でよく聞く言葉のひとつに、
「この図面、加工できません」というものがあります。
設計側は「寸法も公差もちゃんと書いたのに、なぜ?」と思うかもしれません。
しかし現場から見ると、“図面上は成立していても、加工条件としては成立していない”ケースが多々あります。
ここにこそ、商社の技術翻訳力が求められます。
■ 加工できない理由①:工具や治具が入らない
図面通りの形状を実現するには、実際に工具が届く必要があります。
例えば、深い溝・細い穴・急な段差などは、
「工具の長さ」「刃径」「振れ」など物理的な制約で対応できない場合があります。
→ 商社は、加工メーカーの設備・工具情報を踏まえて、
「どの設備なら実現できるか」「設計変更で成立させる方法はあるか」
を提案します。
■ 加工できない理由②:公差が厳しすぎる
±0.01mmなどの厳しい公差は、測定や加工のたびにコストとリスクを高めます。
特に、機能的にそこまでの精度が不要な場合、
「設計意図を理解して公差を見直す」ことが重要です。
→ 商社は、設計と現場の間に入り、
「機能要件に対して妥当な精度」を再提案する“翻訳者”の役割を果たします。
■ 加工できない理由③:素材や板厚の指定が現実的でない
特注材・極薄板・高硬度材などは、入手性や加工性に問題が出ることがあります。
また、「SUS304の板厚1.0mmでR0.5指定」など、
成形上成立しにくい図面も少なくありません。
→ 商社は、調達と加工の両視点から、
「代替材」「板厚変更」「別加工法(切削→プレスなど)」を提案できます。
■ 加工できない理由④:加工工程が想定されていない
図面には形状が描かれていますが、
「どの順番で」「どの方法で」加工するかは別の話。
例えば、穴加工の前に熱処理をしてしまうと、穴が歪むことがあります。
→ 商社は、複数工程をつなぐ存在として、
工程順序の整合性を確認し、最適な流れを組み立てます。
■ 加工できない理由⑤:図面に“意図”が書かれていない
図面は「形」しか伝えません。
しかし実際の加工では、「なぜその形が必要なのか」が分からないと判断を誤ります。
→ 商社が間に入ることで、
「設計者の意図(機能・組立条件)」と「加工者の視点(精度・段取り)」をつなぎ、
双方が納得できる形に“翻訳”します。
■ まとめ:図面の先にある“会話”をつなぐ
図面はあくまで設計と製造をつなぐ共通言語。
しかし、その言葉を正しく理解し、現場に伝える“翻訳者”がいなければ、
どんなに良い設計でも「加工できません」で止まってしまいます。
金属加工商社の役割は、単なる取次ぎではなく、
設計意図と加工現場を結ぶ技術の通訳者です。
バンテックでは、図面段階から相談いただくことで、
「加工できる形」へと翻訳し、最適な加工メーカーをご紹介しています。
図面を送る前に、まず一度ご相談ください。
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