「3Dデータ通りに削れない理由」~図面の落とし穴シリーズ~
3D CADでモデルを作り、そのままCAMに読み込んでNC加工すれば、
「図面通りに仕上がるはず」と思っていませんか?
実際の現場では、“3Dデータ通りに削れない”ことが多いのが現実です。
ここでは、その理由と、設計・加工それぞれの視点から見た“落とし穴”を解説します。
① 材料は理想の形ではない
CADデータ上のモデルは“完全な直方体”や“真円”ですが、
実際の素材は、反り・歪み・厚みバラつきを持っています。
とくに板材や薄物では、固定の仕方でたわみが出て、
「削る前からデータ通りじゃない」こともあります。
② クランプ・チャッキングの制約
3Dモデルでは、どこをどう掴んで加工するかが描かれていません。
しかし現場では、固定方法が加工精度を大きく左右します。
設計には存在しない「掴み代」「裏面加工」「段取り替え」が現場では必要。
つまり、“掴むための余白”がないデータは、現場泣かせ。
③ 工具径と干渉問題
3DデータのコーナーRが小さすぎると、
実際の工具(エンドミル)では入らない形状になることがあります。
例えばR0.1の角をモデリングしても、
実際には刃径Φ0.2の工具しかなく、加工時間が10倍になる、なんてことも。
設計段階で“使える工具サイズ”を意識しておくことが重要です。
④ 熱と応力による変形
データ上では存在しない“熱”と“応力”。
実際には、削ることで金属内部の応力が解放され、
反りや曲がりが発生します。
特にステンレスやアルミの薄物では、
削る順番・切込み量によって最終形状が変わってしまうことも。
⑤ 公差の設定ミス
3Dモデルの寸法が正しくても、公差情報が欠落していることがあります。
3Dモデルだけを基に加工指示を出すと、
「どこを基準に合わせるのか」「どこまで精度が必要なのか」が曖昧になります。
結果、“設計意図と違う精度”で仕上げてしまうことも。
⑥ 加工順序の影響
3Dデータは最終形しか見えません。
しかし加工は“順序”で成り立っています。
「どこから削るか」「どの面を基準にするか」など、
設計では見えない“プロセス設計”が必要。
そこを無視すると、最終形は合っても寸法がずれる。
⑦ 面粗度やバリの考慮不足
データ通りに形はできても、
表面粗さやバリ処理が想定外だと、組立時に問題が出ます。
特に精密嵌合部では、設計上クリアランスがあっても、
実際は“微妙なザラつき”で入らないことも。
⑧ 加工機の精度・環境差
機械は理想的な状態では動きません。
わずかなガタや温度差で、ミクロン単位の誤差が発生します。
CADモデルは理想ですが、現場は“現実”。
だからこそ、設計と加工のコミュニケーションが重要になります。
🧩まとめ
3Dデータは強力なツールですが、
「そのまま削れる」わけではありません。
設計と加工の間にある“現実のズレ”を理解することで、
・設計者 → 現場が加工しやすい設計を
・加工者 → 設計意図を読み取った段取りを
実現できます。
大田区・試作/金属加工はバンテックにお任せください。

弊社は創業以来、『ものづくりの町 東京都大田区』で精密機器の試作品製造の技術商社として協力工場様と共に歩んでまいりました。
商社と言えばお客様より注文を受けてそのまま右から左へと横流しをするブローカーと思われる事も多々あります。
しかしながら弊社はお客様に満足して頂ける様、検査機器も取り揃え品質にもこだわって参りました。
今や品質は良くて当たり前と言う時代でお客様の要望にお応え出来るよう納期厳守も当然のことだと思っております。短納期を心掛け、日々協力工場様と連携をとれるよう万全な体制をとっております。
また、海外の提携会社もあるため、国内短納期試作/海外調達を武器にお客様の図面に合わせて最適な工法、コストをご提案いたします。
まだまだ若い会社ですが今後もBANTECにお願いをしたいと言われるように邁進して参りますので今後とも宜しくお願い申し上げます。
大田区のBANTECバンテックについて

| 会社名 | 株式会社BANTEC(バンテック) |
| 代表者名 | 代表取締役 番場岳志 |
| 住所 | 東京都大田区東蒲田2-12-3 |
| TEL | 03-6336-6822 |
| FAX | 03-6745-4844 |
| 資本金 | 300万円 |
| 設立 | 2011年5月 |
| 事業内容 | 金属の試作加工、量産加工、精密機器、光学機器、医療機器の切削加工、精密板金加工、三次元加工、製品開発支援(設計~製作) |
| 真鍮材料加工 | アルミ加工 | ADC材の追加工 | ABS加工 |
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| 板金加工 | OA機器部品 | 光学部品 | 医療機器 |
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